俳優座劇場

Haiyuza Theatre

会場情報

正式名称・別名:
俳優座劇場
開館:
1954年4月20日( 1980年_改築)
閉館:
2025年4月19日
所在地:
106-0032 東京都港区六本木4-9-2
概要:
株式会社俳優座劇場(1953年設立)が運営をおこなった劇場。劇団俳優座創立10周年事業として開場。劇団俳優座のみならず数多くの劇団の上演の場となった。初代社長は舞台美術家の伊藤熹朔。俳優座劇場から誕生した自社主催の俳優座劇場プロデュース公演は閉館後も続く。
沿革:
1953年 株式会社俳優座劇場を設立。
※初代社長は舞台美術家の伊藤熹朔。
※演劇・テレビなどの大道具セット製作を手掛ける舞台美術部と、劇場運営をおこなう劇場部の両輪で事業を開始。

1954年4月20日 俳優座劇場を東京都港区六本木に開場。
※こけら落とし公演は『女の平和』(劇団俳優座/アリストパネース作)。
※戦火で失われた築地小劇場の精神を受け継ぐ新劇のための劇場を自らの手で創るという理想のもと、劇団俳優座の創立10周年事業として、千田是也をはじめとする劇団俳優座の座員を中心に文化人が建設資金に協力。
※劇場運営を株式会社俳優座劇場が務め、劇団俳優座のみならず広く演劇人へ開かれた劇場として数多くの劇団の上演の場となる。

1978年 劇場を老朽化に伴い改築。
※初代劇場(1954年4月~1978年7月)は2階客席あり、400席。
※最終公演は『人形の家』(劇団俳優座/イプセン作)。

1980年 新劇場を再開場。
※新劇場(1980年9月~2025年4月)は9階建てのビル内、300席。
※再開場のこけら落とし公演は『コーカサスの白墨の輪』(劇団俳優座/ブレヒト作)。

1981年 自社で企画制作をおこなう『俳優座劇場プロデュース公演』を開始。
※第1回公演は『なよたけ』(加藤道夫 作)。
※俳優座劇場プロデュース公演の主導者である当時の社長は制作者の倉林誠一郎。
※良質な演劇の創造と出会いの場となることを志し、翻訳劇や新作戯曲を毎年継続的に上演。優れた演劇作品を世に送り出す拠点となる劇場を目指す。

1994年 俳優座劇場開場40周年、劇団俳優座創立50周年。
※多くの記念公演がおこなわれる。

2018年 株式会社俳優座劇場創立65周年。
※舞台美術部の工場と営業所を埼玉県草加市から越谷市へ移転。

2023年6月 将来の発展を見据える新たな事業計画を立案し俳優座劇場の閉館を発表。

2025年4月19日 俳優座劇場を惜しまれつつ閉館。
※最終公演は『嵐 THE TEMPEST』(俳優座劇場/シェイクスピア作)。
※劇場の70年の歴史を引き継ぎ、俳優座劇場プロデュース公演は埼玉県越谷市を新たな拠点とし企画制作をおこなっている。

2025年6月 国内有数の規模となる舞台装置仮組施設『Theatre Zero』(シアターゼロ)を埼玉県越谷市に竣工。
※現在の株式会社俳優座劇場の本社および舞台美術部(工場・旗艦営業所・Theatre Zero)と演劇制作課(旧劇場部)の所在地は埼玉県越谷市増森となる。
関連リンク:
https://www.haiyuzagekijou.co.jp/

代表作

  • 『女の平和 』

    原作:アリストパネース 脚本・翻訳:高津春繁 演出:青山杉作 装置:伊藤熹朔 作曲:石桁真礼生 振付:青山圭男 制作:劇団俳優座

    1954年4月

    【伝説の幕開け】劇団俳優座によるこけら落とし公演。古代ギリシャ喜劇を選び、戦後の新劇界に「平和」と「祝祭」を掲げて劇場が誕生した記念すべき第一歩。伊藤熹朔は日本舞台美術家協会の初代会長。

    1954年ポスター

  • 『女の平和 』

    原作:アリストパネース 脚本・翻訳:高津春繁 演出:青山杉作 装置:伊藤熹朔 作曲:石桁真礼生 振付:青山圭男 制作:劇団俳優座

    1954年4月

    舞台写真

  • 『検察側の証人』

    原作: アガサ・クリスティ 翻訳: 加藤恭平 演出: 末木利文 美術(装置): 石井みつる 照明: 浅沼貢 音響: 服部二郎 衣裳(衣装・スタイリスト): 石井みつる 舞台監督: 末木利文

    1983年7月

    【プロデュース公演の開始】貸し小屋や劇団公演だけでなく、劇場自体が主体となって作品を創る「プロデュース公演」を開始したのは1981年の『なよたけ』。『検察側の証人』はプロデュース公演の第2作で、地方公演も開始する。転換を交えた法廷の舞台セットは重厚な印象を残した。

    1983年ポスター

  • 『検察側の証人』

    原作: アガサ・クリスティ 翻訳: 加藤恭平 演出: 末木利文 美術(装置): 石井みつる 照明: 浅沼貢 音響: 服部二郎 衣裳(衣装・スタイリスト): 石井みつる 舞台監督: 末木利文

    1983年7月

    舞台写真(1985年)

  • 『ピンクの象と五人の紳士 ~別役実の時間と空間 PartⅢ~』

    原作: 別役実 作曲: 青木渉 演出: 岸田良二 美術(装置): 畑野一恵 照明: 清水俊彦 音響: 深川定次 舞台監督: 岸田良二

    1994年2月

    【不条理劇の挑戦】日本の不条理劇を牽引した別役実の連続上演シリーズ。現実にはあるはずのない想像上のピンクの象が見えてしまう心理状態を実際の劇空間に現出してみせた冒険心と技術に驚きと喝采が集まった。


    1994年ポスター

  • 『ピンクの象と五人の紳士 ~別役実の時間と空間 PartⅢ~』

    原作: 別役実 作曲: 青木渉 演出: 岸田良二 美術(装置): 畑野一恵 照明: 清水俊彦 音響: 深川定次 舞台監督: 岸田良二

    1994年2月

    舞台写真(撮影:浅井優一)

  • 『座・新劇 』

    『風浪』 作:木下順二 演出:広渡常敏 美術:高田一郎 音楽:林光 『村岡伊平治伝』 作:秋元松代 演出:増見利清 美術:高田一郎 音楽:林光 振付:西田堯 『美しきものの伝説』 作:宮本研 演出:石澤秀二 美術:高田一郎 音楽:林光 制作:座・新劇上演実行委員会

    1994年6・7月

    【新劇団合同公演】劇団俳優座50周年・俳優座劇場40周年を記念し、劇団俳優座から出発した4劇団が「われらが巣立ちの場」として劇団俳優座と共に俳優座劇場へ集い3本の連続公演を行う。高田一郎が3作品の舞台美術を担当した。

    1994年チラシ

  • 『座・新劇 』

    『風浪』 作:木下順二 演出:広渡常敏 美術:高田一郎 音楽:林光 『村岡伊平治伝』 作:秋元松代 演出:増見利清 美術:高田一郎 音楽:林光 振付:西田堯 『美しきものの伝説』 作:宮本研 演出:石澤秀二 美術:高田一郎 音楽:林光 制作:座・新劇上演実行委員会

    1994年6・7月

    舞台写真(「風浪」)

  • 『座・新劇 』

    『風浪』 作:木下順二 演出:広渡常敏 美術:高田一郎 音楽:林光 『村岡伊平治伝』 作:秋元松代 演出:増見利清 美術:高田一郎 音楽:林光 振付:西田堯 『美しきものの伝説』 作:宮本研 演出:石澤秀二 美術:高田一郎 音楽:林光 制作:座・新劇上演実行委員会

    1994年6・7月

    舞台写真(「村岡伊平治伝」)

  • 『座・新劇 』

    『風浪』 作:木下順二 演出:広渡常敏 美術:高田一郎 音楽:林光 『村岡伊平治伝』 作:秋元松代 演出:増見利清 美術:高田一郎 音楽:林光 振付:西田堯 『美しきものの伝説』 作:宮本研 演出:石澤秀二 美術:高田一郎 音楽:林光 制作:座・新劇上演実行委員会

    1994年6・7月

    舞台写真(「美しきものの伝説」)

  • 『十二人の怒れる男たち 』

    原作: レジナルド・ローズ 翻訳: 酒井洋子 演出: 西川信廣 美術(装置): 石井強司 照明: 三谷保郎 音響: 小山田昭 衣裳(衣装・スタイリスト): 合田瀧秀 舞台監督: 西川信廣

    1995年7月~

    【翻訳劇・裁判劇の最高峰】1983年第一期となる熊井宏之演出から1995年第二期となる西川信廣にバトンを繋ぎ、当時陪審員制度のない日本において議論劇の面白さを決定づけ、俳優座劇場プロデュースの代名詞となる。密室の陪審室や屋外を臨む窓に加え、明かりが点くと隣室の壁が透き通って内部が見える舞台はドラマの緊張感を一層増幅させた。

    1998年ポスター

  • 『十二人の怒れる男たち 』

    原作: レジナルド・ローズ 翻訳: 酒井洋子 演出: 西川信廣 美術(装置): 石井強司 照明: 三谷保郎 音響: 小山田昭 衣裳(衣装・スタイリスト): 合田瀧秀 舞台監督: 西川信廣

    1995年7月~

    舞台写真(撮影:飯田研紀)

  • 『家族の写真』

    原作: ナジェーダ・プトゥーシキナ 翻訳: 大森雅子 演出: 鵜山仁 美術(装置): 島次郎 照明: 森脇清治 音響: 小山田昭 衣裳(衣装・スタイリスト): 原まさみ 舞台監督: 伊達一成 演出助手: 宮越洋子 美術助手: 松村あや 備考: 俳優座劇場プロデュースNo.68

    2005年6月

    【ロシア現代劇作家の上演】ナジェージダ・プトゥーシキナが描く現代ロシアの家族劇。アパートの一室を回転舞台で表現した美術は、明転で回転するとセットの影がロシアの町並みに見える不思議な空間を創出した。

    2005年ポスター

  • 『家族の写真』

    原作: ナジェーダ・プトゥーシキナ 翻訳: 大森雅子 演出: 鵜山仁 美術(装置): 島次郎 照明: 森脇清治 音響: 小山田昭 衣裳(衣装・スタイリスト): 原まさみ 舞台監督: 伊達一成 演出助手: 宮越洋子 美術助手: 松村あや 備考: 俳優座劇場プロデュースNo.68

    2005年6月

    舞台写真(撮影=落合高仁)

  • 『東京原子核クラブ』

    原作: マキノノゾミ 脚本: マキノノゾミ 演出: 宮田慶子 美術(装置): 横田あつみ 照明: 中川隆一 音響: 高橋巌 衣裳(衣装・スタイリスト): 半田悦子 大道具製作: 俳優座劇場舞台美術部 舞台監督: 上村利幸 舞台撮影者: 飯田研紀 備考: 俳優座劇場プロデュースNo.72

    2006年7月

    【現代劇プロデュースの傑作】マキノノゾミの戯曲を2006年よりプロデュース公演として上演開始。キャストを変えながらも再演を重ねる人気レパートリーとなり、現代劇の傑作として親しまれた。下宿屋の室内を一階の居間から二階を見上げる装置で描き、観客からまるで同じ場所にいた気がするとの声が集まった。

    2006年ポスター

  • 『東京原子核クラブ』

    原作: マキノノゾミ 脚本: マキノノゾミ 演出: 宮田慶子 美術(装置): 横田あつみ 照明: 中川隆一 音響: 高橋巌 衣裳(衣装・スタイリスト): 半田悦子 大道具製作: 俳優座劇場舞台美術部 舞台監督: 上村利幸 舞台撮影者: 飯田研紀 備考: 俳優座劇場プロデュースNo.72

    2006年7月

    舞台写真(撮影:落合高仁)

  • 『汚れた手』

    原作: ジャンポール・サルトル 翻訳: 白井浩司 演出: 森新太郎 美術(装置): 伊藤雅子 照明: 古宮俊昭 音響: 藤田赤目 衣裳(衣装・スタイリスト): 西原梨恵 舞台監督: 黒木辰男 宣伝美術: 坂本志保

    2013年6月

    【サルトル劇の現代的再生】劇団昴による上演。サルトルの政治劇を伊藤雅子による美術をはじめとする鋭角的なスタッフワークで現代劇として鮮烈に提示した。

    2013年チラシ

  • 『もし、終電に乗り遅れたら… 』

    原作: アレクサンドル・ヴァムピーロフ 翻訳: 宮澤俊一/五月女道子 作曲: 上田亨 演出: 菊池准 美術(装置): 乘峯雅寛 照明: 森脇清治 音響: 藤平美保子 衣裳(衣装・スタイリスト): 萩野緑 備考: 俳優座劇場プロデュースNo.92

    2013年11月~

    【ロシア作品の見直し】若くしてこの世を去ったヴァムピーロフの喜劇。厳寒の夜、泊まる宿を逸した若者二人が、離散寸前の一家に飛び込んで「僕はあなたの息子です」と大ウソを付いたことから始まる家族のドラマ。舞台前面にアパートと一階入り口のパネルを配置。転換でパネルが飛ぶと引き枠によるアパート二階の部屋が現れる愉快で心温まる舞台を創出。

    2013年チラシ

  • 『もし、終電に乗り遅れたら… 』

    原作: アレクサンドル・ヴァムピーロフ 翻訳: 宮澤俊一/五月女道子 作曲: 上田亨 演出: 菊池准 美術(装置): 乘峯雅寛 照明: 森脇清治 音響: 藤平美保子 衣裳(衣装・スタイリスト): 萩野緑 備考: 俳優座劇場プロデュースNo.92

    2013年11月~

    舞台写真(撮影:飯田研紀)

  • 『罠』

    原作: ロベール・トマ 翻訳: 小田島恒志/小田島則子 演出: 松本祐子 振付・ステージング: 渥美博 美術(装置): 長田佳代子 照明: 賀澤礼子 音響: 藤平美保子 衣裳(衣装・スタイリスト): 前田文子 殺陣: 渥美博 舞台監督: 泉泰至 演出助手: 日沖和嘉子 舞台撮影者: 飯田研紀 備考: 俳優座劇場プロデュースNo.103

    2018年3月~

    【推理サスペンスの決定版】ロベール・トマの戯曲を松本祐子がスピーディーに演出。終幕に向けてジェットコースターに乗っているような展開が秀逸と評判を呼ぶ。アルプス山脈を一望する瀟洒な山荘の一室を具体的にしたセットは、大どんでん返しのドラマの一翼を担った。

    2018年ポスター

  • 『罠』

    原作: ロベール・トマ 翻訳: 小田島恒志/小田島則子 演出: 松本祐子 振付・ステージング: 渥美博 美術(装置): 長田佳代子 照明: 賀澤礼子 音響: 藤平美保子 衣裳(衣装・スタイリスト): 前田文子 殺陣: 渥美博 舞台監督: 泉泰至 演出助手: 日沖和嘉子 舞台撮影者: 飯田研紀 備考: 俳優座劇場プロデュースNo.103

    2018年3月~

    舞台写真(撮影:飯田研紀)

  • 『音楽劇 わが町』

    原作: ソーントン・ワイルダー 翻訳: 鳴海四郎 作曲: 上田亨 演出: 西川信廣 振付・ステージング: 室町あかね 美術(装置): 二村周作 照明: 桜井真澄 音響: 山北史郎 衣裳(衣装・スタイリスト): 山田靖子 備考: 俳優座劇場プロデュースNo.86 ※東日本大震災の影響により3/11公演中止

    2011年3月~2025年1月

    【70年の幕引き】4月公演『嵐 THE TEMPEST』と並んで「さようなら俳優座劇場」シリーズとして上演されたワイルダーの不朽の名作。台本のト書きにセットは何もないと指定されているが、二村周作の美術は美しい照明と相まって、俯瞰された地球を浮かび上がらせ感動を呼んだ。

    2011年ポスター

  • 『音楽劇 わが町』

    原作: ソーントン・ワイルダー 翻訳: 鳴海四郎 作曲: 上田亨 演出: 西川信廣 振付・ステージング: 室町あかね 美術(装置): 二村周作 照明: 桜井真澄 音響: 山北史郎 衣裳(衣装・スタイリスト): 山田靖子 備考: 俳優座劇場プロデュースNo.86 ※東日本大震災の影響により3/11公演中止

    2011年3月~2025年1月

    舞台写真(撮影:飯田研紀)

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